緑内障とはどんな病気?完治する?わたしのほぼ失明体験談

『発達緑内障』って聞いたことありますか?

生まれつき目の発達に問題があり、緑内障になってしまう病気です。

生まれた時に分かることもあれば、成長してから症状が出ることもあります。

私の場合は高校生になってから『発達緑内障』であることがわかりました。

その時に体験したことをお話したいと思います。

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緑内障とはどんな病気?

まずは緑内障がどんな病気なのか簡単に説明します。

緑内障とは目の神経(視神経)が弱ってきてしまう病気です。

視神経は目の中で働いていて、目で見たものを脳に伝える働きをします。

目に映ったものは脳まで伝わらないと見えたことになりません。

だから、視神経が弱ってしまうと物が見えなくなってしまうのです。

目の中に視神経はたくさんあるのですぐに見えなくなったりはしませんが、緑内障になると少しずつ物が見えにくくなっていきます。

見える範囲が段々狭くなってきて、中心が見えなくなると視力も落ちてきます。

見えないのは視神経のせいなので、眼鏡をかけてもコンタクトをつけても見えるようにはなりません。

緑内障は完治する?

一度弱ったり死んでしまった視神経はもとに戻りません。

視神経は新しく作られることもありません。

そのため、一度見えなくなってしまうと、眼鏡をかけても、コンタクトをしても、治療をしても見えるようにはなりません。

治療は、これ以上見えなくならないようにするために行います。

緑内障になるとどうして視神経が死んでしまうの?緑内障の種類

緑内障になるとどうして視神経が弱ってしまうのでしょうか?

その理由によって緑内障にも色々な種類に分けられます。

1眼の発達が不十分で生まれつき眼圧が上がりやすい→発達緑内障

2眼圧が高い→原発開放隅角緑内障、原発閉塞隅角緑内障

3神経が弱い体質→正常眼圧緑内障

4他の病気や薬の副作用により、視神経が弱ったり眼圧が上がったりする

眼圧が高いってどういうこと

では、眼圧が高い、眼圧が上がる、というのはどういうことなのでしょうか?

眼圧が高いとどうして視神経が弱ってしまうのか?

眼の中は房水という水分で満たされています。

水風船みたいな感じです。

房水はどんどん新しく作られて、古いものは捨てられます。

でも、作る量が多すぎたり、捨てるのが遅かったりすると、眼の中に房水が溜まってきてしまいます。

目は頭蓋骨の中にぴったりと収まっているため、水風船のように大きく膨らんだりはしません。

その代わり、中の圧力が高くなり、視神経がギューっと押されて弱ってしまいます。

緑内障でほぼ失明体験

私の緑内障が発覚したのは15歳の時でした。

「眼鏡をかけても黒板が良く見えない。眼鏡があっていない?」

そう思い眼鏡を作るために眼科に行きました。

そこで緑内障がわかりました。

発見した当時は眼圧が50くらいあり右眼の視野はほとんど残っていませんでした。

眼圧の正常値は20以下なので、相当高かったようです。

治療のために何軒か病院へ行きました。

1軒目 診療所1では

最初に行った病院では一応診察はしてもらいましたが

『ここでは何も出来ないので他の病院へ行ってください。』

と治療を断られ、他の病院を紹介もしてもらえませんでした。

この後、しかたなく他の眼科の診療所へ行きました。

2軒目 診療所2

2軒目に行った眼科はおじいちゃんの先生でした。

眼圧を測り驚かれましたが、

眼圧を下げる目薬を処方してくれました。

そして、子供専門の病院へ行くように紹介してくれました。

診察を断るだけで何もしてくれない先生もいれば、薬を処方して紹介状を書いてくれる先生もいて。

同じ医者なのに色々ですね。

病院の先生なのに信用できない人もいるんだなぁと、子供心に思ったのを覚えています。

このおじいちゃん先生はこの後10年くらい、ずっと眼圧を測りに通いお世話になりました。

子供専門の病院で検査をした結果、『発達緑内障』の診断がつき、手術をすることになりました。

緑内障は自覚症状がない?

緑内障は自覚症状があるのかどうか?

これは人にもよると思います。

緑内障の自覚症状は色々あります。

1 視野が狭くなることによって見えにくくなること

2 眼圧が高くなることによる頭痛。

3 頭痛がひどくなると吐き気があることもある

4 目の充血

『視野が狭くなり見えにくくなる』

に関しては人によって色々な感じ方があります。

具体的には

よく物にぶつかるようになる

階段を下りるのが怖い

いつも目がかすんでいる

眼鏡やコンタクトをつけても見にくい

飛んできたものをキャッチできない

お線香の火がなかなかつけられない

こんな風に感じることがあれば一度眼科で検査をしてもらっても良いかもしれません。

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現在通院している眼科の先生の話では

急性の緑内障=急激に眼圧が上がった場合は、頭痛があったり、急に眼が見えにくくなるので分かりやすいようです。

慢性の場合は自覚症状がなく、かなり進んだ状態で来院する人が多いそうです。

私の場合はというと。

自覚症状は全くありませんでした。

片方ほとんど見えていなかったのに、『眼鏡があっていないだけ』だと思っていました。

『私が鈍感なだけ』

と言われてしまえばそれまでですが。

遅発性の発達緑内障(成長してから発見される発達緑内障)のみつけにくさというのは2つあるように思います。

1つ目は、何年もかけて少しずつ病気が進行するため、分かりにくい。

2つ目は、成長途中の子供、見え方の変化があったとしても、子供本人は

『こういうものだ。この見え方が普通なんだ。』

と思ってしまいます。

自分の見え方がおかしい、だんて考えません。

わたしの場合も自覚症状は全くなかったわけですが、少しは『おかしいな?』と思っていたことがあります。

片目がほとんど見えないということは、もう片方だけで見ていることになりますよね。

そうすると、立体感のない風景を見ることになります。

遠近感もないので、飛んでくるボールをキャッチすることができません。

バトミントンもラケットがシャトルに当たりません。

バレーボールをしても、あんなに大きなボールが手に当たらないんです。

緑内障が発覚する1年くらい前から

『私と他の人の見ている物は違うのかな?』

なんてぼんやりと思っていましたが。。。

まさか本当に違っていたとは!

本当にびっくりでした Σ( ̄□ ̄|||)

幸い左眼の視野はまだ三分の二くらい残っているので、多少の不便はあっても、困ることなく生活できていますが。

私が右眼だけで景色を見るとどう見えるのか?

こんな景色。

私の右眼では右上の部分しか見えません。

こんな感じです。

でも、私が右眼で見て感じている風景はこれではありません。

実際には上の写真のようにしか見えていないのですが、

これくらい見えているように感じてしまいます。

これが緑内障の怖いところです。

検査をして確実に見えていないことが分かっていても、見えていない実感ってほとんどありません。

病院の先生が言うには

『もう片方の眼と脳が足りないところを補っている』

らしいです。

『空なんだから青いだろ』

『城に来てるんだからこんな感じだろう』

と、脳が勝手に画像を補っているらしいのです。

でも、実際には見えていないので

もしもこんなことになっていても、右眼だけ見た場合は。全く気づきません。

見えているつもりになっているだけなんです。

まとめ

緑内障とは
神経が弱ってしまい、視野(見える範囲)が狭くなっていく病気
病気が進んで中心部分が見えなくなると視力も弱くなる

緑内障は完治する?
一度見えなくなった部分はもとにはもどません。
病院では、これ以上見えなくならない為の治療をします。

緑内障に自覚症状はある?
急性の場合は自覚症状がある場合が多い。
慢性の場合は自覚症状がないことが多い。

緑内障の自覚症状は?
頭痛、吐き気
いつも目がかすんでいる
見えにくい

緑内障は自覚症状を感じにくい病気です。
特に慢性の場合は、かなり症状がすすまないと発見できません。
何かおかしいな、と思ったら早めに眼科にいってください。


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