緑内障は子供に遺伝するのかどうか?
発達緑内障で病歴数十年の私は、子供に遺伝しているのか心配で病院さがしをしました。
なかなか子供の検査をしてくれる病院がみつからず大変でした。
同じように発達緑内障で子供の遺伝を心配している方の参考になればうれしいです。
緑内障は子供に遺伝する?
緑内障はいろいろな原因が絡み合って起こる病気です
体質やストレス生活習慣などの原因が考えられ、
遺伝も原因の1つとして考えられています。
今通っている病院の先生から聞いた話ですが
緑内障は必ず遺伝するとは限らずそんなに神経質になる事は無いそうです。
ただ、発達緑内障の人で、家族や兄弟に2人以上の緑内障の人がいる場合は、
子供にも遺伝する可能性が高いと聞きました。
子供の緑内障の病院さがし
遺伝するかも、
と言われると心配になります。
私には2人の息子がいます。
生まれた時は全く異常は見られず『大丈夫』と言われました
ただ、私たち姉妹は2人とも遅発性の緑内障。
『子供達もそうかも。』と心配していました。
本格的に病院探しを始めたのは長男が3歳児検診で
『視力の発達が少し遅い。』
と言われた時でした。
総合病院で
まずは小児科で紹介された総合病院の眼科に行きました。
そこでは
『視力は少し遅いくらい大きな異常ではない。』
『緑内障は小学生以上でなければ何もできない。』
と言われました。
とはいえ、緑内障の発見が遅れるとどうなるか、
身をもって体験済みの私としては、
『もし緑内障だとしたら。。。』
『小学生まで待たずになるべく早く発見した!』
と思い近くの眼科の診療所に行くことにしました。
近くの診療所で
診療所の先生は近所の評判も良く、物腰が柔らかく話をじっくり聞いてくれる先生でした。
とても良い先生だったのですが、やはり幼稚園児に緑内障の検査は難しいようで、
月1回のペースで通いましたが、毎回視力検査と診察だけで終わりでした。
良い先生だったのですが、なぜか焦っていた私は、のんびり様子をみようとする先生との温度差に耐えられず、またほかの病院に行くことにしました。
『代理ミュンヒハウゼン症候群』
という言葉が頭をよぎりましたが。。。(-_-;)
『いやいや、私は子供を病気にしたいのではなく、病気ではないことをはっきりさせたんだ!』
そして
『もし病気だった場合は、1日でも早く発見して、早く治療をはじめ、一生困らないで使える視力と視野を残してあげたい!』
そう思っていました。
そんな親心から何軒か病院を変えたわけですが、
今考えてみると子供には負担が大きかったかな、と少し反省しています。
子供にとって目を触られる病院は怖い場所でしかないわけで、
そんな所に何軒も連れていくのですから、子供にとっては苦痛でしかありません。
赤ちゃんの眼科検診ができる診療所で
次に行ったのは電車でら30分くらいの眼科の診療所でした。
産院に隣接していて、赤ちゃんの検診もやるという先生でした。
とても熱心な先生で、一所懸命すぎて子供が辛くなってしまう
そんな先生でした (;^_^A
ここの先生は幼稚園児の長男の眼圧を測ってくれました。
もちろん、目を開けていられなかったり、怖くて泣いてしまったりで、正確には測れませんでした。
『検査ができないからといってやらなければずっとできないので、少しずつ慣れるように練習していきましょう』
ということでした。
緑内障の検査は痛みはありませんが、眼球をさわられる恐怖との戦いです。
そして泣いたり緊張したりすると正確な眼圧は測れないという。。。(T_T)
子供にはとてもつらい戦いでした。
3軒目の病院ですが、ここに通うようになって初めて気づいたことがありました。
それは
検査やるということは子供が頑張らないといけないこと
そして
子供は好きで検査を受けているわけではないし、
むしろ親である私が安心するために、無理に受けさせているものです。
大人には簡単な検査でも、子供には難しいもの。
出来ても出来なくても、頑張ったことを褒めよう、と思うようになりました。
間違っても「なんでできないの!」なんて追い詰めるようなことを言ってはいけないな、
先生が厳しい分、先生の側ではなく子供の立場に寄り添うことが重要だ、ということ
に気が付きました。
3~4か月に1回通い検査はしていましたが、緑内障かそうでないか、という結論は出ず、
一度大きな病院に行ってみたら何か分かるかも?
と思うようになりました。
以前私が通っていた子供専門の病院に行こうか
それとも今私が通っている大学病院に行こうか
迷いましたが、
子供専門の病院は良い思い出がない
子供専門の病院はつてもない
子供専門の病院には当時私がお世話になった先生は今はいない
という理由で大学病院に行くことにしました。
幸い先生が知り合いだったらしく、相談してみたら
『私も1度大学病院に行った方が良いと思っていたのよ』
という感じで快く紹介状を書いてくださいました。
大学病院で
新幹線と電車を乗り継ぎ3~4時間かけて行きました。
この時、当時9か月だった次男も一緒に検査をしてもらいました。
この時の長男の結果は、
『今のところ緑内障ではなく、はっきりはしないけれど
発達緑内障なら疑いは低い、が緑内障になりやすい体質緑内障のような目の形ではある
多分大丈夫だが、体質なのか病気なのかはこれから経過観察な必要』
という結果でした。
長男が4歳の時でした。
子供の緑内障の検査はどんな感じ?
緑内障の検査はどんな検査があるのか、ということをまとめてみました。
以前書いた緑内障の検査・手術・治療の体験と少し内容がかぶるかもしれませんが、
子供が何歳くらいでできる検査なのか、ということも書いてみましたので、同じような体験をされている方の参考になればと思います。
緑内障の検査 細隙灯顕微鏡検査
・目の奥を見る基本の検査
・診察時に毎回チェックする
・少し眩しいが眼球には触らない
長男は4歳のころからやっていますが、小学生に入る前にできるようになりました。
緑内障の検査 眼圧検査
・緑内障の基本の検査
・眼圧が高くないか毎回診察時にチェック
・空気を当てて測る方法と、直接眼球に機械を当てて測る方法がある
空気を当てる方法は、ちょっとびっくりしますが痛くはありません。
でも、子供の目は小さいので空気を当てるのも大変そうです。
しかも、「目を開けていなければいけない」と言われると目を閉じたくなってしまうみたいです(^_^;)
しかも緊張したり泣きそうにになると眼圧が上がってしまい、正確な値が測らないとか。
子供にはなかなか大変です。
空気を当てる瞬間に目を開けていないといけないのですが、
『ちょっとだけまばたきやめて』
と言われても、子供には難しいみたいです。
うちの長男がちゃんと測れるようになったのは4~5年生くらいになってからでした。
でも、練習のためと早くなるてもらうために幼稚園の時から診察のたびにやっていました。
次男は今3年生でなんとなく出来ていたので、個人差はあるかと思います。
直接眼球に機械を当てて測る方法は
測る前に麻酔の目薬をつけるので、機械を当てても痛くはありません。
が、麻酔の目薬が少ししみます。
しみるのは目薬をさした直後だけですが、それだけでも小さな子供には苦痛です。
それに加えて機械が目に近づいてくる様子が見えるので怖いのです(-_-;)
検査自体は痛くはないのですが、目薬がしみるのと怖いのとで、子供には苦痛の多い検査かもしれません。
それでも、緑内障になったら定期的に検査をする必要があります。
うちの場合は6年生になってやっとまともに測れるようになりました。
知覚過敏気味の子や怖がりさんには難しい検査かもしれません。
隅角検査
・隅角という部分を見る検査
・緑内障の型(緑内障の原因)がわかる検査
・痛みはないがとても眩しい
隅角というのは目の中の水(房水)が外に出て行く部分です。
頻繁にやる検査ではなく、緑内障歴〇十年の私でも数回くらいしかやったことがありません。
麻酔の目薬をつけて器具を直接眼球に当てて検査します。
痛みはありませんが、すごく眩しい検査です。
あまり気分の良い検査ではありません。
うちの子供たちも大学病院に行った時に1度だけやりましたが、
幼稚園と2歳児だったので、押さえつけられてやりました。
子供にとっては最悪の思い出だと思います。
緑内障の検査 視野検査
・視野の異常を調べる検査
・目は触らないので痛くも怖くもない
色々な方法があるようですが私がよくやるのは
『スクリーンにうつった光が見えたらボタンを押す』
という検査です。
片目ずつ検査をして、片方5分~10分くらいかかります。
直接目に触れる検査ではないので、そういう苦痛はありませんが、
じーっと白いスクリーンを見ていないといけないので眠くなります( ̄▽ ̄;)
視線を動かしてはいけないので少し難易度の高い検査ですが、
痛くも怖くもないので、うちの子供はすんなりこなしました。
5年生の時に初めてやりました。
正確な結果が出るかどうか疑問です(^^;;
視線を真ん中に固定したまま周囲の光を見る、といのが小学生には難しいと思います。
でも、ゲームみたいな感覚でできるので本人は
『ちょっと面白かった』
と言っていました。
現在小学6年生の長男は視野検査の練習中です。
緑内障の検査 眼底検査
・目の奥を眼底という所を見る
・視神経が弱っていないかどうか観察する
・肉眼で観察、写真を撮る、特殊な写真を撮る、の3種類の方法がある
肉眼で観察
光を目にあててみます。
まぶしい以外の苦痛はありません。
が、眩しさにはに耐えて目を開けていないといけないので子供は大変かもしれません。
目を閉じてしまうと手で瞼をあげられるので、子供にはそれが怖いようです。
6歳くらいから泣かずにできています。
眼底写真
機械をのぞき込んで眼底の写真をとります。
眼球を直接さわりません。
写真をとる少しの間、視線をうごかせず、まばたきもとめなければなりません。
まぶしくも怖くもないので苦痛はありませんが、
瞬きと視線の動きを止めるのは小学生には難しいようです。
うちの息子は4~5年生くらいでできるようになりました。
OCT(光干渉断層計)
特殊な撮影法で神経の様子を観察します。
撮影法は違いますが、やることは眼底写真と同じです。
難易度も写真を撮る方法と同じくらいで、4殻5年生くらいでできました。
子供の緑内障の診断について
後で知ったことですが、
発達緑内障自体はとても少ないそうです。
そして、小学生の眼圧は比べると対象がないので大人の値を参考にするしかないそうです。
今回身をもって体験することになりましたが、子供の緑内障を発見するのはとても大変です。
以前先生に教えていただいたことですが、子供の緑内障を発見が難しい理由が3つあるそうです。
まず病気が進んでいても本人に自覚症状がないこと
そして、子供には難しい検査が多いこと
検査ができたとしても、比べるデータがないこと
そのことを知ってから、
子供の緑内障の検査はできない、と言われたり
視力検査しかしてもらえなかったことも
しかたなかったのかな、と思えるようになりました。
発達緑内障の親が、子供の遺伝を心配して、子供を眼科に連れていく場合、
本当に緑内障を研究しているようはところ、
赤ちゃんの眼も診る先生
などを狙って探すのがいいのかな、と感じています。
現在11歳の長男は発達緑内障の疑いはほぼ晴れた感じです。
ただし
右の眼圧が左に比べていつも少し高めなので注意、
緑内障のリスクは高めなので今後も観察が必要
という感じで無罪放免ではありませせ。
現在も産院横の眼科に年1回くらいのペースで通っています。
次男はというと、
視力の発達も正常で目の形も正常だそうです。
家族に、2人発達緑内障がいる
という以外のリスクはないのですが、一応年1回くらいで通院しています。
家族に発達緑内障が2人いて、親が発達緑内障であっても、子供に遺伝するとは限らないようですね。
あくまで我が家の場合です。