現在私は視覚障害で2級の障害者手帳を持っていますが、以前4級か5級の対象になるかも、ということで申請を迷ったことがありました。
4級や5級の障害者手帳を持っているとどんなメリットがあるのか書いてみます。
障害者手帳5級・4級を申請するメリット
・医療費の補助は4級以下は対象外。
・所得税市民税県民税は控除対象になります。
・補装具の費用負担は白杖とか義眼とか1割負担で購入できます。(所得制限あり)
補装具が必要でない方には不要な補助です。
私も5級を申請しようか迷った当時は特に必要ありませんでした。
・自動車税控除は4級の一部は対象で、5級の場合は補助がありません。
所有者、使用者が本人の車に限るので、そもそも免許を取るほどの視力がない場合は使えない補助です。
私も障害のため免許を取ることができないので関係ありませんでした。
※ 4級に関しては1種と2種の変わり目なので、同じ4級でも対象になる補助が違うことがあります。
1種と2種は手帳に記載されるので、手帳を持っている方は見れば一目両全ですが
視覚障害の場合の1種と2種の違いについては後半で説明しています。
・有料道路の割引は1種と2種で条件が違います。
1種は介護者が運転しても割引されますが、
2種は本人が運転している場合の限定で割引があります。
2種の場合は、本人限定なので免許を取れないと意味ないですね。
・JRの割引は1種か2種か違います。
1種は介護者同伴に限り、本人と同伴者が半額(距離は関係ない)
本人のみの乗車は100km以上に限り半額
2種は同伴者の割引はなく、本人のみの割引で、片道100kmを超える場合のみ適用
コレも必要ない人には必要ない補助ですね。
・バス運賃、航空運賃、タクシー運賃、私鉄運賃、入館料、入園料などは
会社や場所によって割引率は変わりますが、等級には関係なく割引があると思います。
・就職は障害者枠で就職ができます。
障害者手帳4級5級を申請しなかった理由
4級5級で受けられるメリットを簡単に説明しました。
4級5級の申請を迷っていた頃はもう10年以上前の話ですが
結局申請しなかった理由は当時の主治医に
『5級くらいだとたいした補助はないし、就職の時にもない方が良いかもしれないよ』
と言われたからです。
もう一度、4~5級の補助の内容を見てみると
・医療費 × 対象外
・所得税市民税県民税 〇
・補装具費の補助 〇 でも必要なし
・自動車税控除は △ 障害の為免許がとれないので必要なし
・有料道路の割引 △ 免許ないので必要なし
・JR半額補助 〇 100kmを超える移動はあまりしないのでほぼ必要なし
・バス運賃、航空運賃、タクシー運賃、私鉄運賃、入館料、入園料など 〇 あまり必要なし
・障害者枠で就職 〇 以前は障害者枠の募集が少なかったので必要なし
確かに対象にならない補助や対象でも必要ない補助が多かったです( ̄▽ ̄;)
バス運賃、航空運賃、タクシー運賃、私鉄運賃、入館料、入園料などは
よく遊びに行く方は良いかもしれませんね。
私も子供が出来てからはお出かけが増えてありがたく利用させてもらっていますが
以前はインドアな人間だったのであまり必要ありませんでした。
就職に関しては、以前は障害者雇用があまりありませんでした。
健常者枠で就職するのなら障害者手帳はない方が良い
ということで手帳の申請はしませんでした。
もちろん就職の際には病気に関して自己申告しました。
通院のために半休をもらったり
後で何かあった時(事故とか労災とか)
出来ないことが発覚したり
色々考えて、一応面接の際に説明はしました。
説明しましたが、視覚障害の事前の説明って難しいですね。
仕事内容も分からない状態では何が出来ないのか分からない。
『緑内障という病気で視力が弱く視野が狭い』
『遠くは見えないし出来ないこともあるが日常生活は普通に送れている』
という説明をしましたが、なかなか理解はされませんね ( ̄▽ ̄;)
普通の日常生活って何? って思いますし…
白内障と間違えられたり
「視野が狭いっって何? 普通に見えてるんでしょ?」
とかは良く言われました。
現在は国が障害者雇用を促進しようという流れで、障害者雇用促進法ができました。
そのため、企業に一定数の障害者雇用の義務があるので、
障害者枠の募集が増えているようです。
なので、障害者枠の就職を考えている場合は手帳を取得しても良いかもしれませんね。
その場合
障害があることで仕事の幅が制限されたり
やりたい仕事ができなかったり
出世に差し支える、などなど
職種や会社によってはもしかしたら制限されることがあるかもしれません。
やってみなければ分からないことではありますが、取得する場合はよく考えてみてください。
もちろん、手帳の有無にかかわらず持病についてはきちんと報告した上で仕事につくのが良いと思います。
余談ですが、私は20年前から症状はほとんど変わっていないのですが、
当時と障害者の制度が変わり、今では2級の手帳を持っています。
手帳取得を迷っている方は、何級で申請できるのか病院で聞いてみても良いかもしれません。
所得制限はありますが、3級以上は医療費の補助があるのでありがたいです。
視覚障害の障害者手帳で受けられる補助
前半で4級5級の補助について書きましたが、障害者手帳で受けられる主な補助を書いてみます。
【医療費の補助】
『重度心身障碍者医療費助成』というものがあり医療費が免除されます。
視覚障害の場合は1級・2級・3級が対象なので4級以下は対象外になります。
(医療費助成は所得制限があるので、本人・配偶者・扶養義務者に一定以上の所得があると受けられないことがあります)
【所得税市民税県民税】
1級~6級まで控除されますが
『障害者控除』と『特別障害者控除』の2種類あり控除割合が違います。
身体障害者手帳の1級と2級が『特別障害者控除』になります。
問い合わせ先は税務署ですが、会社にお勤め場合は会社で手続きをしてくれると思います。
相続税や贈与税の所得控除もあるようです。
【補装具費の補助】
1級~6級までが対象で、1割負担で白杖や義眼などを購入できますが、所得制限があります。
(世帯の中に市民税所得割額46万円以上ある場合は対象外)
申請前に購入してしまうと補助が出ないので、必ず購入前に申請をしてください。
【自動車税自動車取得税】
1~3級、4級の1
所有者、使用者が本人に限る
【有料道路料金割引】
高速道路の通行料金が割引になります。
登録が必要なので申請してから1~2か月かかる場合もあります。
障害者1人に対して車1台登録できます。
持っている手帳が1種か2種かによって割引の条件が変わります。
1種…本人及び介護者が運転する場合に割引の対象
(障がいのある人が乗車する場合に利用できます。)
2種…本人が運転する場合のみ割引の対象
1種の場合は本人が運転しなくても良いので、障害が原因で免許が取れなくても利用できます。
【JR運賃の割引】
1~6級まで対象
手帳が1種か2種かによって割引の条件が変わります。
違いは介護者が割引されるかどうかです。
1種は本人と介護者の両方が割引きになります。
・本人のみ乗車の場合 … 片道100km を超える場合5割引
・介護者と同乗の場合 … 本人、介護者共に5割引(距離制限なし)
2種は本人のみ、片道100km を超える場合のみ5割引
【バス運賃・航空運賃・タクシー運賃・私鉄運賃】
割引率は会社によってちがいますが、等級にかかわらず手帳を持っている場合は大抵割引があります。
【入館料、入園料など】
割引率は場所によってちがいますが、等級にかかわらず手帳を持っている場合は大抵割引があります。
【NHK受信料】
視覚障害の場合は
手帳を持っている人が世帯主で契約者の場合のみ、受信料が減額されます。
補助内容は自治体ごとに微妙に違ったり、自治体独自の補助があったりするので
各自治体で出している『障害福祉のしおり』などを見るのが一番正確です。
分からない場合は、市役所や区役所の障害福祉課などに問い合わせてみると良いと思います。
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こんな感じで自治体ごとにしおりがあります。
分かりにくい自治体もありますが、相談窓口も書いてあります。
視覚障害の等級の認定基準と1種と2種の違い
障害車手帳には1級~6級の等級のほかに
1種と2種の手帳があり、補助の内容が微妙に違ってきます。
1種の方が重症度が高く(1級~)
2種の方が重症度が低い(~6級)
1種と2種の境い目ですが
〇級から というようにきれいに分かれていません。
障害の種類によっても境い目が違うので少し分かりにくくなっています。
視覚障害の場合は
1種・・・1級~3級 4級の1 (下の等級表参照)
2種・・・4級の2・3 5級~6級
4級の途中で分かれるので同じ4級でも補助の内容が変わることがあります。
4級の1とか2とか3 の数字は以下の等級表の4級の項目に書いてあります。
【等級表】
■1級
視力の良い方の眼の視力
(万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のある者については、矯正視力について測ったものをいう。以下同じ。)
が0.01以下のもの
■2級
1 視力の良い方の眼の視力が0.02以上0.03以下のもの
2 視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
3 周辺視野角度(Ⅰ/4視標による。以下同じ。)
の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度(Ⅰ/2 視標による。以下同じ。)
が28度以下のもの
4 両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの
■3級
1 視力の良い方の眼の視力が0.04以上0.07以下のもの
(2級の2に該当するものを除く。)
2 視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
3 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度が56度以下のもの
4 両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの
■4級
1 視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの
(3級の2に該当するものを除く。)
2 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下のもの
3 両眼開放視認点数が70点以下のもの
■5級
1 視力の良い方の眼の視力が0.2かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの
2 両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの
3 両眼中心視野角度が56度以下のもの
4 両眼開放視認点数が70点を超えかつ100点以下のもの
5 両眼中心視野視認点数が40点以下のもの
■6級
視力の良い方の眼の視力が0.3以上0.6以下かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの
視覚障害の認定基準が2018年に大幅に改正されました。
障害者認定の基準が両眼の視力の和ではなく、良い方と悪い方の視力の組み合わせで等級が決まるようになりました。
視野障害に関しては高い等級に認定されるようになったと思います。
現に私は4級か5級と言われていたのが改定後は一気に2級になりました( ̄▽ ̄;)
等級表を見てもよく分からない時は、眼科の主治医に聞いてみるのが良いですね。
(私も等級表はよく分かりません 汗)
まとめ
【障害者手帳5級・4級を申請するメリット】
× 医療費の補助は4級以下は対象外
〇 所得税・市民税・県民税の控除
〇 補装具費の補助(所得制限あり)
△ 自動車税控除は1種が対象(4級の一部と5級以下は対象外)
(所有者、使用者がともに本人の場合)
〇 有料道路の割引(1種は介護者か本人の運転、2種は本人が運転する場合のみ)
〇 JRの運賃5割引
1種
介護者同伴の場合本人と同伴者が5割引き(距離は関係ない)
本人のみの乗車は片道100km以上に限り5割引き
2種
本人のみの割引 片道100kmを超える場合のみ5割引き
〇 バス運賃、航空運賃、タクシー運賃、私鉄運賃、入館料、入園料
〇 障害者枠での就職
【障害者手帳の1種と2種の違い】
視覚障害の場合は
1種・・・1級~3級 4級の1 (下の等級表参照)
2種・・・4級の2・3 5級~6級