草木染めの中でもハーブ染め、その中でもハイビスカス染めをやった時の様子をご紹介します。
草木染めは思ってもいない色が出るのがおもしろいところですが
なかなか思った通りの色が出ません( ̄▽ ̄;)
いつも飲んでいるハイビスカスティーで綿のハンカチを綺麗なピンクに染めたい
と思い色々試してみました。
ハイビスカス染めのやり方
まずは基本の草木染めのやり方でためしてみました。
材料はハイビスカスティーのみで紅茶は混ざっていません。
いつも私が飲んでいるハーブティーのハイビスカスティーです。
ハイビスカスティーって実はハワイなイメージのハイビスカスではないんです。
ハーブショップなどで販売されているハイビスカスは同属のローゼルという植物だそうです。
ローゼルは見た目はハイビスカスとは全然違いますが、ハイビスカスと同じあおい科フヨウ属の植物で学名がHibiscus sabdariffa (ハイビスカス サブダリファ)
ということでローゼルを乾燥させたものがハイビスカスティーと言われています。
なので今回草木染めに使ったハイビスカスティー、パッケージにはハイビスカスと書いてありますがローゼルです( ̄▽ ̄;)
ハイビスカス染めで用意するもの
・ハイビスカスティー(乾燥)
・布(今回は綿のハンカチ、豆乳で下処理済)
・媒染液(ミョウバン・銅・鉄)
・水
・鍋
・やかん(お湯を沸かす用)
・さいばし
・ゴム手袋
・ボウル(媒染液の種類の数だけ用意)
ハイビスカスの染め方
1 布の下処理をしておく(豆乳と水1:1で混ぜた液に30分以上つけておく)
2 鍋に水とハイビスカスを入れて20分程煮る
3 ざるや裏ごし器でハイビスカスを漉しとり、染液を鍋に戻す
4 染液の入った鍋に布を入れて30分程煮る
5 お湯をわかして媒染液を作る
布がひたひたにかぶるくらいのお湯をボールに入れる
※媒染液と色素が反応しやすい為と、ミョウバンが溶けやすいくなるためにお湯を使いました。水でもできます。
ミョウバン(お湯600mlくらいに小さじ2杯程とかしました)
銅(お湯600mlくらいに市販の銅媒染液を大さじ1程溶かしました)
鉄(お湯600mlくらいに市販の鉄媒染液を大さじ1程溶かしました)
※銅と鉄の煤煙液は染める布の重さに対して5%~20%とパッケージに書かかれていました。
6 布を鍋から取り出し媒染液に30分ほど浸す
7 媒染液から布を取り出して水でよく洗い乾かす
乾燥後ハンカチの色は・・・
ちょっと写真では分かりずらいですが
左がミョウバンの媒染でピンクがかったグレー
真ん中が銅媒染で少しだけ緑が入ったグレー
右が鉄媒染で完全なグレー
以前みょうばんを使ってハイビスカス染めをした時は
もう少しピンク色が残ったような気がしますが今回はちょっと残念です。
やる度に同じ色にはならないのが草木染の面白いところですし
グレーも十分素敵な色だと思います。
でもでも、やっぱりあのきれいなハイビスカスティのピンクを取り出したい!!
ということで違う方法も試してみました。
草木染め(ハイビスカス染め) クエン酸を使う方法
クエン酸を使った酸性抽出を試してみました。
常温で酸性の液につけて染液を作る方法です。
繊細な線維を染める時、生の花びらを使う時など、
熱で繊維や色素を壊さないためにこの方法を使います。
ハイビスカスも一応花びらっぽいので(?)この方法をやってみました。
普通は常温で行う方法ですが、反応が早くなるように50~60℃くらいのお湯で抽出しました。
(正確に測ってはいません。だいたい触ると火傷しそうなくらい熱いけれどちょっとさわるだけなら火傷しないくらいの温度で)
ハイビスカスティー自体にクエン酸やリンゴ酸が豊富に含まれ、疲労回復効果のあるハーブティーなので
あえてクエン酸を追加して酸度を上げる必要があるのかどうか疑問ですが
クエン酸には色止め効果も少しあるようなので媒染液の代わりの働きを期待します。
最初に金属媒染液を使ってグレーになってしまったので
金属の媒染剤を使わなくても良いようにクエン酸を加えました。
ハイビスカスの酸性抽出で用意するもの
・ハイビスカスティー 20g
・布(綿のハンカチ豆乳で下処理済み) 10g
・クエン酸 30g (酢でもOK)
・水
・やかん(お湯をわかす用)
・ざるor裏ごし器(ハイビスカスを漉し取る用)
・ボウル(染液用)
・大きなボウル(湯せん用)
・菜箸
・ゴム手袋
クエン酸は食用でも掃除用でもどちらでもOKです。
クエン酸の代わりに酢を使っても出来ます。
酢は穀物酢でも米酢でもリンゴ酢でもなんでもOK
においがきつくて少しベタつきますが、出来上がりはにおいは取れます。
クエン酸を使ったハイビスカス染めのやり方
1 お湯をわかして少し冷ます
2 ボールにお湯を入れてクエン酸を溶かす
(600mlのお湯に30gのクエン酸を使いましたが、クエン酸多過ぎかもと思っています)
酢を使う場合はお湯で半分に薄めて布がかぶるくらいの量にして使います。(原液をそのまま使ってもOK)
3 ハイビスカスをクエン酸液に入れて20分くらいふやかす
4 ハイビスカスを良くもんでピンクの液を出す(手が荒れるのでゴム手袋着用!)
5 ざるや裏ごし器でハイビスカスを漉しとり絞る
6 ハイビスカスの染液をボウルに戻して、50~60℃くらいのお湯で湯せんする
7 湯せんしながら布を染液に30分くらいつける
8 布を水で良く洗い乾かす
結果は・・・
左は1番目に染めたもの(グレーがかったスモークピンク)
真ん中は1枚目を染めた残りの染液に30分つけたもの(薄ピンク)
右は2枚目を染めた残りの染液に一晩つけたもの(紫がかったピンク)
右は急遽思い付きで染めたので布がなく、下処理なしのダブルガーゼのマスクです。
きれいにピンク色が出ました(*^▽^*)
あとはクエン酸の色止め効果がどのくらいあるのか心配です。
沢山洗濯をしたら色が薄くなってしまうかもしれませんね。
そうなったらまた染めてみます(*^▽^*)
今回はハイビスカスのピンクを出すために『草木染大全』に載っていた
『シルク25g 酢酸(60~80%液)10ml ハイビスカス25g ※酢酸がなかったら酢を500ml』
を使った染色を参考にしました。
コットンはシルクよりも染まりにくいのでハイビスカスを布の2倍量入れてみましたが、
クエン酸はかなり入れすぎだったかもしれません。
酢酸も酢もなかったのでクエン酸を使い、適量がよく分かりませんでした( ̄▽ ̄;)
クエン酸の量が違うと染まる色も変わるかもしれませんね。
また機会があればやってみようと思います。
草木染めはキッチンで出来る範囲で子供たちと楽しんでいますが
『草木染大全』を見ながら材料と染め方を決めています。
3種類の媒染法×4種類の生地(シルク・ウール・コットン処理済・コットン処理なし)
の色見本が載っています。
(実際にやってみるとなかなか同じ色にはなりませんが似たような色には染まります)
色見本が豊富なので次は何をやろうか考えながらペラペラと眺めているだけでも楽しいです。
150種類以上の材料を使った色見本と、様々な染色法が書かれているので
その中から身近な材料で簡単にできるものを選んで試しています♪