子供がいると飲み物をこぼすことはよくありますが
お茶や紅茶やコーヒーなどをこぼされた時はそのまま草木染めができるんじゃないかと思ってしまいます。
でも、一部分だけ染まってしまうのは草木染めじゃなくてシミ
そんなシミはきれいにしなければいけません!
緑茶・紅茶・ウーロン茶・ルイボスティー・コーヒー・赤ワインなど
タンニン染めされてしまった生地の染み抜き方法を書いてみます。
お茶や赤ワインのシミの原因は?
赤ワイン、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、ルイボスティーなどを服にこぼした時、シミになるのは主にタンニンが原因です。
タンニンは渋味成分ですが、革のなめしに使われたり、
草木染めのタンニン下地(タンニン処理)など、布が染まりやすくするための下ぞめとして使われます。
一度染まるとなかなか落ちしにくい色素です。
色落ちしにくいのは草木染めでは便利ですがこぼして洋服のしみになった時などは少し困ってしまいます。
シミ抜きの前に行うこと
布の種類によってはシミ抜きできないものもあるので、シミ抜きする前にしっかりと確認してください。
調べることは
・水洗いできるか?
・洗濯機が使えるか?
・色落ちしないか?
の3つです。
漂白剤を使う場合は
・お湯が使えるか?
・漂白剤が使えるか?
の確認も必要になります。
水洗いNGなら迷わずクリーニングへ
洗濯機NGなら注意してシミ抜き出来るかもしれませんが、大事なものならクリーニングに出す方が安全です。
特に、ウールやシルクは熱にも漂白剤にも摩擦にも弱いので
自宅でのシミ抜きは諦めてクリーニングに出した方が良いです。
色落ちは普段使っていて何回も洗濯していれば問題ないと思いますが
分からない時は目立たないところで試してみます。
濡らしたタオルで布をポンポンと叩いてみて色がつかなければだいたい大丈夫です。
染み抜きの仕方
シミ抜きは基本的には洗濯の前に行います。
洗濯機にかけた後だとシミが落ちにくくなっていることがあるので、洗濯前に済ませましょう。
シミ抜き方法は色々ありますが、シミが落ちにくい順に並べると
水洗い < 洗剤 < 酸素系漂白剤 < 塩素系漂白剤
洗浄力が強くなるほど布が傷みやすく、使えない素材も出てくるので
まずは布に優しく効果が低い方から順番に試してみるのが良いかと思います。
お茶やワインをこぼした直後なら水洗いだけでも結構きれいになります。
水洗いのシミ抜き方法
こぼした直後なら水だけで取れることもあります。
①シミが広がらないように、乾いたタオルなどで押さえて拭き取ります。(擦ってはダメ!)
②水分を吸い取ったら、水で濡らしてしっかりと絞ったタオルでシミの部分をポンポン叩いてシミを落としていきます。
裏側に乾いたタオルを当てて、シミを吸い取るようにすると、落ちやすくなります。
擦ると汚れが広がるので、絶対に擦らないで下さい。
外出先で汚した場合でも、ハンカチなどを使ってここまでやっておくと、後でシミになりにくくなります。
洗剤を使ったシミ抜き
【シミ抜きに使える洗剤は?】
水洗いで落ちない場合は洗剤を使って洗ってみます。
洗剤は洗浄力の弱い順に
中性洗剤 < 弱酸性洗剤 < 弱アルカリ洗剤
洗浄力が高ければ高いほど布が傷みやすいので、まずは中性洗剤で試してみるのが良いかと思います。
綿やポリエステルの丈夫な布の場合は弱酸性洗剤でも大丈夫です。
弱アルカリ洗剤は油汚れを落とす時にはよく落ちますが、タンニンのシミ抜きには向きません。
タンニンの性質上、酸性で色が薄くなり、アルカリ性で色が濃くなります。
紅茶にレモンを入れて酸性にすると少し色が薄くなったりしますよね。
草木染めでもアルカリ性で染めると濃い茶色になります。
これはルイボスティー染めのコースターですが、
左がアルカリ性(重曹)で染めたもの、右が酸性(クエン酸)で染めたものになります。
布についたお茶やワイン(タンニン)がシミ抜き中に反応するのかどうかは疑問ですが、
もしシミが完全に落ちなかった場合、できるだけ色が目立たない方が良いですよね。
そういう意味では、アルカリ性の洗剤は避けた方が良いかもしれません。
我が家では子供がお茶をこぼした時はだいたい台所用の中性洗剤を使いますが
洗濯用のものでも大丈夫です。
漂白剤や蛍光増白剤(蛍光剤)が入っているとつけた部分だけ変色することがあるので、
漂白剤、蛍光増白剤の入っていないものを選んでください。
【洗剤を使ったシミ抜きのやり方】
①布を水につける
②シミの部分に洗剤をつける
②綿棒、歯ブラシなどでポンポンと叩いたり、シミの部分をつまんで揉み洗いをする
擦るとシミが広がるので擦らないように注意!
③シミの部分を水ですすいで洗剤を落とす
④シミが残っていたら②に戻る
シミが落ちていればそのまま洗濯機か手洗いで全体を洗う
酸素系漂白剤を使ったシミ抜き方法
洗剤で洗っても汚れが残ってしまった場合はいよいよ漂白剤を使います。
漂白剤は布を痛めるのでデリケートなのはやらない方が良いと思います。
酸素系漂白剤には粉末と液体がありますが、粉末の方が洗浄力が強く布が傷みやすいです。
液体は酸性で粉末はアルカリ性ですが、漂白剤は汚れ自体を落とすのではなく
色素を分解して色を落とすものなので酸性かアルカリ性かはあまり気にしなくても良いと思います。
(シルクやウールなどはアルカリ性には弱いので粉末の酸素系漂白剤は使えません。)
液体の酸素系漂白剤は
シルク・ウールは要注意です。
大事なものならクリーニングへ出した方が安全です。
金属のボタンやファスナーは変色してしまうので、漂白剤がつかないように注意してください。
粉末の酸素系漂白剤は
説明書にも書いてあると思いますが
ウール・シルクはNGです!
使わないでください!
金属も色が変わってしまうので漂白剤がつかないように気を付けてください。
酸性漂白剤は色柄物オッケーと書いてありますが
実際に柄物のワイシャツに使って色がにじんでしまったことがります。
「色柄OKって書いてあるのに〜o(`ω´ )o」
と怒っても元には戻らないので
目立たないところに漂白剤を塗って5分ほど置いて
色が本当に落ちないか確かめてからやった方が良いかもしれません。
【漂白剤を使った染み抜き方法】
①シミのついた部分を水でぬらす
②シミの部分に漂白剤をかける
漂白剤は手で触れないので綿棒や歯ブラシがあると便利です。
裏側にタオルを当てて綿棒や歯ブラシでトントンとたたいて漂白剤をしみこませます。
③ドライヤー または お湯
漂白剤は温度が高い方が力を発揮します。
ドライヤーやお湯を使ると漂白剤の効果を高めることができますが、
お湯を使うと漂白剤が薄くなってしまうのでドライヤーの方が効果がある気がします。
生地から10~15cmほど離してシミに塗った漂白剤にドライヤーを当てて5~10秒ほど温めます。
生地が傷むのであまり長く熱風を当てすぎないように注意してください。
お湯を使う場合は説明書の通りにお湯で薄めてつけ置きます。
お湯の温度は洗濯表示を見て、大丈夫な温度の範囲内で一番高い温度にします。
塩素系漂白剤を使った染み抜き
塩素系漂白剤は酸素系漂白剤よりも強い漂白剤です。
布の柄も落としてしまうので色柄物には使えません。
ウール・シルク・ナイロン・ポリウレタンも使えません。
金属のファスナーなどは変色します。
真っ白で丈夫な布のみ使えますが、生地が傷む可能性があるので
大事なものにはやらない方が良いかもしれません。
洗濯表示と漂白剤の説明書をしっかりと読んで使えるかどうか確認してください。
やり方は酸素系漂白剤と同じです。
①シミのついた部分を水でぬらす
②シミの部分に漂白剤をかける
漂白剤は手で触れないので綿棒や歯ブラシがあると便利です。
裏側にタオルを当てて綿棒や歯ブラシでトントンとたたいて漂白剤をしみこませます。
③ドライヤー または お湯 で温める
生地から10~15cmほど離してシミに塗った漂白剤にドライヤーを当てて5~10秒ほど温めます。
生地が傷むのであまり長く熱風を当てすぎないように注意してください。
お湯を使う場合は説明書の通りにお湯で薄めてつけ置きます。
お湯の温度は洗濯表示を見て、大丈夫な温度の範囲内で一番高い温度にします。
温度が高い程漂白効果は高いですが、生地の傷みも大きいので様子を見ながら試してみてください。
おまけ 麦茶の染み抜き
うちの子供たちがよくこぼすのは麦茶ですが、麦茶にタンニンは入っていません。
紅茶や緑茶よりも汚れは落ちやすいですが、時間が経つとやはりシミになってしまいます。
麦茶のシミも紅茶や緑茶と同じ方法できれいになります。
学校の体操服は丈夫な生地で出来ていて、ちょっとぐらい漂白剤につけてもあまり痛んだ感じがしないので塩素系漂白剤に付けてしまっています。
お茶をこぼしてもこぼさなくても定期的に塩素系漂白剤につけてしまいます。
パッケージに書いてある濃度にお湯で薄めて30分ほど浸けておきます。
お湯はやかんで沸かして少しおいた80℃くらいのものを使っています。
この方法で黄ばみもシミもきれいに落ちて気持ち良く真っ白になります。
(熱いお湯での漂白剤のつけおきは生地が傷むので、よほど丈夫な布以外はおすすめしません)
以前うっかり1時間位つけた時は襟と袖の赤いラインが少し滲んでしまったので
浸け時間には要注意です。
色の部分だけ気になりますが、真っ白になって気持ちがいいです。
生地にはあまり優しくない方法なので試す場合は
色がにじまないか様子を見ながら、自己判断でお願いします( ̄▽ ̄;)