青と赤のベタ

水中生物を飼育していると水槽のろ過不足という言葉をよく聞きます。

水中で生活する生き物は水が汚れると生きていけません。

なので水のろ過が必要なことはわかりますが

ろ過不足って何?

と思っている方もいるのではないでしょうか。

かつての私がそうでした( ̄▽ ̄;)

ろ過能力不足とは何か?

ろ過不足の症状と対処法について説明していきたいと思います。

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水槽の濾過能力不足とは?

ろ過とは水をきれいにすることです。

目に見えるゴミがないことや水の透明度も大切ですが、

それ以上に目に見えない有害物質がないことが一番重要です。

ろ過は3種類あり


物理ろ過・・・目に見える汚れやゴミを取り除く


化学ろ過・・・濁りやあくを吸着して取り除く


生物ろ過・・・バクテリアによる有害物質の分解


この中で一番需要なろ過が生物ろ過

好気性バクテリアを増やして有害なアンモニアを分解するのが生物ろ過です。


「濾過できている」

というのは

バクテリアが有毒なアンモニアを分解するシステムができている状態

のことを言います。

このしくみがうまくいかない状態をろ過不足(ろ過能力不足)と言います。

ろ過不足の水槽はバクテリアの分解能力を超えたアンモニアが発生し、生き物の生きていけない水になってしまいます。


上部フィルターのろ過の種類とろ材の選び方


↑ ↑ ↑
3種類のろ過についてはこちらで説明しています。

水槽 濾過不足 症状

ろ過不足とはバクテリアの能力が足りなくて有害物質がたまっていくこと。

ということが分かっても

実際に自分の水槽でろ過が出来ているのかどうか判断するのは難しいと思います。

私も始めのころは分かりませんでした( ̄▽ ̄;)

でも、ろ過が足りない時に出てくる兆候というのはあります。

水槽がろ過不足になるとどういう症状が出るのか書いてみます。

ろ過不足の症状1 水の濁り

有害物がバクテリアによって分解されないと

水槽内に有害物が残るため水が白濁することがあります。


水槽の白濁りについて詳しく書いた記事もあります。ろ過不足以外の原因についても書いています。

↓  ↓  ↓

水槽が白く濁った時の原因と対策

ろ過不足の症状2 水槽の異臭

水槽の水が汚いと水が臭くなります。

特に刺激臭がする時はアンモニアの濃度が高い可能性が高いので危険です。


実際に我が家の水槽で外掛けフィルターを使っていたことがありますが、

ろ過機能が足りなかったようで水がすごく臭くなりました。

それでも放置していたら、鼻のツーンとしたヤバそうな刺激臭がするようになり

あわててろ過能力の高いろ過装置に交換しました。

ろ過装置を交換してからはそんなにひどい臭いはしないので

臭いで水の汚れがある程度は分かるかもしれません。

ろ過不足の症状3 油膜

水槽に油膜が発生する場合、バクテリアが死んでいる可能性があります。

バクテリアがいなければろ過はできないので、

バクテリアが繁殖できる環境を整えるなどの対策が必要です。

ろ過不足の症状4 水カビやコケが多くなる

水カビやコケは水中の有機物を栄養にして増えます。

水中に有機物が多いとよく育ちよく増えます。

水中に有機物が多い

ということは餌の食べ残しや排泄物が分解されずに残り

水の富栄養化が進んでいることを意味します。

水中に栄養分がたくさん残っているということは

水を十分にろ過できていないということです。

ろ過不足を調べてみる

「ろ過できてるか心配だけど、目に見えない汚れなんて分からなよ!」

という場合、試験紙や試薬で水槽水を調べることもできます。
濾過がうまくいっていない場合はアンモニアが多くなります。



水槽の濾過強化の方法

水槽のろ過がうまくいかずにろ過不足になっている場合、すぐに対策をしなければなりません。

濾過強化には色々な方法があります。

水槽の主の特性や水槽の環境に合わせて試してみてください。

水槽のフィルターやろ材を交換する

濾過能力不足の場合、ろ過能力の高いろ過装置に交換するのが一番簡単な方法です。


ろ過装置をそのままで濾過強化をしたい場合はろ材を見直してみるのも良いです。

濾過槽にろ材を詰め込みすぎて流れが弱くなると、バクテリアに酸素が行かず逆効果になるので注意してください。

各メーカーから良いろ材は販売されているので、試してみるとよいですね。

生物ろ過のろ材の割合を増やすとろ過能力が上がることがあります。


ろ材は長期間使っているとろ過能力が落ちてきます。

物理ろ過フィルターは汚れていませんか?

汚れていたり詰まっていたら洗ったり交換が必要です。

汚れをしっかりとキャッチして生物フィルターにゴミが流れあいようにしておきます。

化学ろ過フィルターは定期的に交換していますか?

化学ろ過フィルターは長期間使用すると吸着能力がなくなってしまうので、定期的に交換が必要です。

交換時期は、水槽の状態、ろ過装置の状態、使っているろ材のメーカーによってかわってきますが、

吸着フィルターはだいたい1か月~3か月くらいで交換するものだと思います。

生物濾過フィルターは破損したり詰まっていませんか?

破損していたら誤飲や濾過槽の詰まりの原因になるので交換が必要です。

詰まって流れが弱くなっている場合は、酸素が行き届かずにバクテリアが繁殖できないので

洗って詰まりを解消してください。

洗う場合はバクテリアが死んでしまわないように水槽水で軽く洗うようにしてください。

あまり丁寧に洗うとせっかく繁殖したバクテリアが流れてしまうので、洗うのは程々にしておいてください。

水槽水が壊滅的に汚い場合はカルキを抜いた水道水で洗います。

水槽 エアレーション

バクテリアの繁殖には酸素が必要です。

水槽の中に酸素が足りない場合、バクテリアが繁殖できないためろ過機能が落ちてしまいます。

酸素が足りない水槽では、エアレーションを使い水中に酸素を供給することでバクテリアが元気になり濾過強化につながります。


60cm以上の大きな水槽で外部フィルター、上部フィルターを使っている場合、

水槽全体に水流が流れない場合があります。

通常水の取水口と排水口は水槽の両端に設置する仕組みになっていますが、

取水口から吸う力が足りないと、排水口下部の水が澱みがちになります。

排水口の下付近に水中ポンプを置くだけでも、水槽全体に水流が行きわたるようになりろ過能力が向上することがあります。

水換え(一時的な効果)

水中に有害物質がたまっている場合、水換えで濃度を下げることができます。

濾過能力強化ではないし、一時的な効果しかありませんが、

ろ過不足を水換えで補うことができます。

水が壊滅的に汚かったり、生物が病気になってしまった場合、

水槽の水を全部換えて水槽をリセットすることもありますが、

水質の変化に付いていけずに逆効果となることも多いです。

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できるだけ水槽内の生体に負担をかけずに

1/2~1/3くらいを水を換えて少しずつ水槽内の環境を改善するのが安全です。

頻繁な水換えが苦手な生き物もいるので気を付けてください。

水温を下げる

夏に水温が上がると水に溶ける酸素量が減ります。

酸素が足りないと生物ろ過に必要な好気性バクテリアが死んでしまうので

水温を少し下げることで酸素量が増えてバクテリアが元気になり

濾過機能が上がることがあります。

飼っている魚(水中生物)の適温の問題もあるので、使えない場合もあります。

ろ過フィルターを増やす サブフィルター

濾過能力が足りないろ過装置を使っている場合

ろ過能力を補うためにサブフィルターを付けるという対策もあります。

外部フィルターと水中フィルターの併用

上部フィルターと水中フィルターの併用

上部フィルターと底面フィルターをつなげる

など色々な方法があります。

小さめのフィルターに生物濾過のろ材を入れて回すだけでもろ過能力は上がると思います。

ろ材にゼオライトを使う(一時的な効果)

ゼオライトはろ材に使われる素材です。

アンモニアを吸着して取り除いてくれますが、吸着しすぎると逆にアンモニアを放出することもあるので注意が必要です。

ゼオライトを使ったろ材を使えば一時的にアンモニアが減りますが、ろ過不足の根本的な解決にはなりません。

一時しのぎの対策ですが、バクテリアが増えるまでの短期間の対策としては有効です。



キョーリン ゼオパックはアンモニアを放出することはないそうなので安心して使えそうです。



キョーリンHP ゼオパックについて



バクテリアを入れる(一時的な効果)

賛否両論ある方法ですが、水槽水に直接バクテリアを入れる方法もあります。

バクテリアを入れても繁殖できる環境が整っていなければ根本的な解決にはなりませんが

環境が整っていれば、入れたバクテリアがそのままろ過フィルターや底砂で繁殖してくれるはずです。

水質が変化する可能性もあるので注意して使用してください。


ジェックス ベストバイオ ブロックは納豆菌が原料です。

生きたままのバクテリアが休眠状態でブロックになっています。

有機物の汚れ、アンモニア、亜硝酸塩を分解してくれるようです。


スーパーバイコム スターターキットは2種類のバクテリアがセットになっていて

有機物、アンモニア、亜硝酸塩を分解してくれます。





餌の量を減らす(一時的な効果)

餌の量を控えめにすれば食べ残しや排泄物も減るので水が汚れにくくなります。

ろ過能力を上げる方法ではないですし、一時しのぎの対策です。

餌を少なめにして、食べ残しやフンはスポイトなどで取り除くようにすると

多少は濾過不足を補うことができます。

バクテリア対策済の水槽で、バクテリアが増えるまでの短期間の対策としては有効です。

まとめ

【水槽のろ過能力不足とは?】

物理ろ過、化学ろ過、生物ろ過

の3つのろ過がうまくいかない状態

特に生物ろ過の機能が足りなくなることが多く

ろ過不足の水槽では、バクテリアが少ないため

有害なアンモニアを分解できず、水中に有害物質がたまってしまう


【水槽 濾過不足 症状】

・水の濁り

・水槽の異臭(特に刺激臭は要注意)

・油膜

・水カビやコケが多くなる

・試験紙や試薬でアンモニアを調べることもできる


【ろ過不足対策・濾過強化の方法】

・水槽のフィルターやろ材を交換交換する

ろ過装置の交換

ろ材の交換

ろ材を洗ってきれいにする


・水槽 エアレーション

酸素を供給してバクテリアを元気に

水槽全体に水が流れるように


・水換え(一時的な効果)

水換えで水中の有害物質の濃度を下げる

水質の変化に弱い生き物もいるので注意


・水温を下げる

水温を下げると酸素が水に溶けやすくなりバクテリアが元気に


・ろ過フィルターを増やす サブフィルター

足りないろ過能力を補うためにもう1つろ過装置を使う


・ゼオライトを入れる

ゼオライトにアンモニアを吸着させる

長期間使用すると逆にアンモニアを放出することもあるので注意


・バクテリアを入れる

水槽の水にバクテリアを入れる

環境が整っていればそのまま繁殖してくれるかも

・餌の量を減らす

食べ残しや排泄物も減って水が汚れにくくなる



ろ過とろ材、フィルターの交換やメンテナンスについて

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