草木染めの火を使わないやり方 簡単安全で幼稚園や保育園の子供にも

草木染めは火や熱湯を使ったり金属を使ったりするので、子供と一緒にやる時は注意が必要です。

でも、草木染めの中には熱湯や危険な薬品を使わずに染める方法もあります。

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保育園(幼稚園)の子供向けの草木染めとは?

草木染めは普通は材料を煮て染液を作ります。

染色と媒染も温度が高い方が染まりやすいので、熱湯を使うことが多いですが、

熱湯を使わないで染めるやり方もあります。

お湯を使わずに常温で草木染めを楽しむ方法もあるのでご紹介したいと思います。

子供向けの草木染めは安全第一なので


火を使わない


コップやお椀などで手軽にできる


材料は少しくらい口に入っても大丈夫 


そんな方法です。


火や熱湯を使わずに、材料は全て口に入っても害のないものを使います。

今回はぶどうジュース・ブルーベリージャム・玉ねぎの皮を使った草木染めで

媒染に焼きミョウバン・酢・クエン酸の中からどれか1つを使います。


ジュース・ジャム・玉ねぎの皮は食品ですし、酢ももちろん食べられます。

クエン酸も掃除用ではなく食用のものを使います。(酸味を足すときに使う調味料)

焼きミョウバンはなすの漬物の色止めに使わるので少量なら口に入っても大丈夫です。

ジュースやジャムは甘くておいしいですが

玉ねぎの皮、酢、クエン酸、ミョウバン液などは、美味しいものではないのでたくさんは食べたり飲んだり出来ないと思います( ̄▽ ̄;)


少しくらい飲んでもこぼしても触っても害はないですが


 むやみに触ったり飲んだりこぼしたりするのはおすすめしません。 

ジュースや酢はにおいがすごくてペタペタします。

ジュースや玉ねぎで作った染液は服にこぼせばシミになります。

クエン酸やミョウバンは肌が弱いと手荒れしたりします。

酢もクエン酸も酸っぱくて飲める味ではありません。

安全とは言え、においも味も色も強いので

できるだけ口に入れないように、触らないように、こぼさないようにしましょう( ̄▽ ̄;)


前置きはこのくらいにして 『ぶどうジュース染め』『ブルーベリージャム染め』『玉ねぎ染め』のやり方を書いて行きます。

ぶどうジュース染め

そのまま染まるので染液をつくる手間がはぶけます。

(物によっては色素が入っているものもあるので厳密には草木染めにならない場合も)

常温でも冷蔵庫から出したてでも染まります。

ミョウバンを使う場合は溶けにくいのでお湯を使った方が良いですが

溶けなくても染まらないということはありません。

ムラになりやすいのと温度が低いと反応しにくい

という理由で普通は熱湯で焼きミョウバンを溶かします。

お湯を使えるようであれば使ってください。

温度が高ければ高いほど溶けやすく、早く媒染できます。

お湯が使えなければ水で溶きます。

溶け残っても大丈夫です。

(少しムラになるかもしれません)

用意するもの

・容器 2つ

布が浸るくらいの液体が入る大きさ

今回はコンビニのタピオカミルクティーの空きカップを使いました。

コップでもお椀でもなんでも良いですが、アルミ製や鉄製のものは避けてください。

ステンレス以外の金属は化学反応を起こして思うような色に染まらなくなることがあります。


・はし


・お湯 (用意できなければ水でもOK)


・ぶどうジュース 布全体が浸る量

今回は300ml使いました。


・媒染剤

焼きミョウバン 小さじ1くらい

または

 水と酢を同量混ぜて布全体が浸るくらいの量

今回は150mlくらい使いました

または

クエン酸 大さじ2~3杯くらい

媒染でクエン酸を使う場合はだいたい5~10%くらいのクエン酸水を作ります。

今回は300mlの水に大さじ2杯を溶かしました。



媒染剤は焼きミョウバン・酢・クエン酸のどれでもできます。

酢とクエン酸はピンクに染まり、焼きミョウバンは紫に染まります。



左が酢を使ったもの、右が焼きミョウバンを使ったものです。

クエン酸は酢の時と同じような色になります。






染める前の準備

綿の布を使う場合は下処理をして乾かしておく

豆乳と水を同量混ぜた液に20分ほどつけた後乾燥させる(水洗いしない)

ウールや絹の布を使う場合はこの作業は必要ありません。

ぶどうジュース染めのやり方

1 ぶどうジュースを容器に入れる



染まりやすさを考えると温度は高い方が良いと思いますが、今回は冷蔵庫から出した冷たいジュースをそのまま使いました( ̄▽ ̄;)


2 ジュースに布をつける 30分~1時間放置



コンビニのタピオカドリンクのカップです( ̄▽ ̄;)

大きくて耐熱性があるので意外と便利です。

90℃くらいのお湯を入れても平気でした。(今回はお湯は使っていません)

ムラを気にする場合はジュースに入れる前に布を水でぬらしてから入れた方が良いです。

色がつけば良いのであれば乾いた布をそのままジュースに入れてもOK

空気が抜けてジュースが布にしみ込むようにはしで布を押して混ぜてください。


3 媒染液をつくる

布をつけている間に媒染液をつくります

焼きミョウバン、酢、クエン酸のどれでもOKです。


【アルミ媒染液の作り方】

お湯(水)1Lに対して焼きミョウバンを小さじ1~2杯ほど入れて混ぜる。

今回はカップに300mlくらいの水が入ったので焼きミョウバンは小さじ半分くらい入れました。


焼きミョウバンは溶けにくいので沸かしたお湯を使わないとしっかり溶けません。

溶け残りがあるとムラになりやすいですが、染まらないことはないので気にしない場合は水に溶かしても大丈夫です。

温度が低いと色素と媒染剤の化学反応が起こりにくいので

色が定着しにくかったり、染まるのに時間がかかる、と言われていますが

今回水でやってみましたが特に問題なく染まりました。

水を使う場合は溶けにくいので、焼きミョウバンは少な目で作った方が良いです。

溶け残りが多いとミョウバンの粉が直接布にくっつき、その部分がムラになりやすくなります。


【食酢の媒染液の作り方】

酢と水(お湯)を同じ量用意して混ぜる

部屋中酢のにおいになります( ̄▽ ̄;)


【クエン酸の媒染液の作り方】

1Lのお湯(水)に対して小さじ5~6杯のクエン酸を混ぜる

クエン酸は水にも溶けます。


4 ジュースから布を出してよく絞ってから媒染液に20分くらいつける

余分なジュースを落としてから媒染液につけた方がムラになりにくいですが

絞れなくても染まるので問題ありません。

媒染液が布によくしみ込むようにはしで押したり混ぜたりしてください。


5 もう一度ぶどうジュースに5分くらいつける

色素がちゃんと定着するようにもう一度布をジュースにつけます。

この作業はやらなくても良いですが、もう一度ジュースにつけた方がよく染まります。


6 布をよく洗い陰干しする



ぶどうジュースでつくるなんちゃってぶどう染めですが、

ブルーベリージャムを使ってもできます。

ブルーベリージャム染め

『ブルーベリージャム染め』のやり方はぶどうジュースの場合と同じです。

ジュースにつける代わりにブルーベリージャム液につけます。

ブルーベリージャムの染液は、ジャムとを水同量まぜて作ります。

水の代わりに酢やクエン酸を使うと明るい色になりやすいです。

染液がジュースからジャム液に変わるだけで、その他の工程はぶどうジュース染めと全く同じやり方です。

玉ねぎの染めのやり方(火を使わない方法)

玉ねぎの皮染めもコップなど簡単にできます。

火を使わずに常温で出来ますが、染液を作るのにぶどうジュースよりも時間がかかります。

焼きミョウバン液に入れた時に、布が茶色から黄色に変化するので面白いと思います。

もちろん酢やクエン酸を使ってもできます。



↑ 酢、クエン酸はこんな色に染まりました。

玉ねぎ液の色そのままの色です。



↑ 焼きミョウバンを使うときれいな黄色になります。

茶色の布がアルミと反応して黄色に発色するので見ていて楽しいです。

用意するもの

・玉ねぎの皮

中サイズの玉ねぎ1個分でハンカチ1~2枚染めることができます。

(煮染めする場合は玉ねぎ1個でもっとたくさん染めることができます。)

今回は玉ねぎ1個分の皮でハンカチ1枚を染めました。


・容器2個


・はし


・お湯(水でもOK)


・媒染剤

焼きミョウバン 小さじ1くらい

または

 水と酢を同量混ぜて布全体が浸るくらいの量

今回は150mlくらい使いました

または

クエン酸 大さじ2~3杯くらい

媒染でクエン酸を使う場合はだいたい5~10%くらいのクエン酸水を作ります。

今回は300mlの水に大さじ2杯のクエン酸を溶かしました。



媒染剤は焼きミョウバン・酢・クエン酸のどれでもできます。

酢とクエン酸は肌色~茶色に染まり、焼きミョウバンは黄色に染まります。

染める前の準備

綿の布を使う場合は下処理をして乾かしておく

豆乳と水を同量混ぜた液に20分ほどつけた後乾燥させる(水洗いしない)


染める布がウールや絹の場合はこの作業は必要ありません。


玉ねぎ染めはかなり濃く染まる草木染めなので、煮染めの場合は下処理をしない方がきれいな黄色が出たりします。

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なので私も玉ねぎの煮染めの時はいつも布の下処理をしません。

ですが、火を使わずに染める場合は煮染めほど濃い色には染まらないので、

事前に下処理をしておいた方が良いと思います。

玉ねぎの皮染め(火を使わない方法)の手順

1 玉ねぎの皮をお湯(水)につける


沸かしたお湯を使えれば20分くらいで染液ができますが水だと少し時間がかかります。

水の場合は2時間くらい置かないと水が茶色くなりませんでした。

これは3時間くらいおいた様子

↓ ↓



早く染液を作りたい場合はお湯が必要です。

熱湯じゃなくても少し温かいだけのお湯でも抽出時間は短くて済みます。

(玉ねぎ液を電子レンジであたためても抽出時間を短縮できます)

2 布を玉ねぎ液に入れる

玉ねぎの皮が入っていますがその中に布を入れてしまって大丈夫です。

布に玉ねぎ液がよくしみ込むようにはしで押したり混ぜたりしてください。



↑ 1時間くらいつけた様子です。

取り出してみるとこんな感じ



このくらいの色でも焼きミョウバンにつけるときれいな黄色かクリーム色になります。

酢とクエン酸はこの色が少しだけ薄くなった色に染まります。


3 媒染液をつくる

布をつけている間に媒染液をつくります

媒染液は焼きミョウバン、酢、クエン酸のどれを使っても良いですが出来上がりの色が変わります。

酢と酢酸は肌色~茶色に染まり、焼きミョウバンを使うと黄色になります。

使う布、色素や煤煙剤の量によって染まる色が微妙に変わるので、絶対ではありませんがだいたいこんな感じの色に染まります。



【アルミ媒染液の作り方】

お湯(水)1Lに対して焼きミョウバンを小さじ1~2杯ほど入れて混ぜる。

焼きミョウバンは熱湯でないと完全には溶けないと思います。

溶けなくても布は染まりますが、溶け残りが布に着くムラになりやすいので

水を使う場合は焼きミョウバンは少な目で作った方が良いです。

お湯を使った方が化学反応が起こりやすくよく染まると言われていますが

今回水でも十分きれいに染まりました。

お湯を使える場合はお湯を使った方がムラになりにくく染まりやすいと思います。


【食酢の媒染液の作り方】

酢と水(お湯)を同じ量用意して混ぜる


【クエン酸の媒染液の作り方】

1Lのお湯(水)に対して大さじ5~6杯ほどのクエン酸を混ぜる

クエン酸は水でもよく溶けます。


4 玉ねぎ液から布を出してよく絞ってから媒染液に20分くらいつける

余分な玉ねぎ液を落としてから媒染液につけた方がムラになりにくいですが

絞れなくても染まるので問題ありません。

媒染液が布によくしみ込むようにはしで押したり混ぜたりしてください。


玉ねぎの液は薄い茶色なので布も最初は薄い茶色ですが

ミョウバン液が布にしみ込んで反応すると段々黄色に変わっていきます。

色変わりが観察できるのが玉ねぎ染めの面白いところです。

酢やクエン酸を使う場合は色は変わらず玉ねぎ液の色(肌色~茶色)に染まります。


媒染剤の種類を変えると違う色になります。

色々な媒染剤を使った玉ねぎ染めはこちら
↓  ↓  ↓


玉ねぎの皮で草木染(玉ねぎ染め)のやり方~自宅でも簡単 (ミョウバン・銅媒染・鉄媒染)


5 もう一度玉ねぎ液に5分くらいつける

玉ねぎ染めは適当にやっても結構良い感じに染まるので、この作業はやらなくても良いかもしれません( ̄▽ ̄;)

色が薄いと感じる場合はこの作業をやってみてください。


6 布をよく洗い陰干しする

玉ねぎ・ぶどうジュース・ブルーベリージャム以外で火を使わずにできるもの

玉ねぎとジュース、ジャム以外でも、火を使わずに染められるものがあります。

■くちなしの実(乾燥)

クチナシの実は職員の色付けに使うので、栗きんとんや沢庵を手作りするお宅にはあるかもしれません。

実を割って水につけておけば綺麗な黄色の染色液ができます。

玉ねぎと同じくらいはっきりした色に染まり、染色液は玉ねぎよりも早く抽出できます。

1時間くらいで黄色の液ができますし、濃く染めたい場合でも2時間程で染液が出来上がります。

くちなしの実(乾燥)で草木染め ハンカチが綺麗な黄色に | すっきりブログ (huyuzakura.com)

■カレー粉・ターメリック

カレー粉やターメリックもきれいな黄色に染まります。

細かい粉が布についてしまうとなかなか取れず、ムラになることもあります。

そのため、粉をだしパックなどに入れた後に、水に浸けて色を出しますが…

どうしても粉が布につきやすいので、ちょっと扱いにくい材料かもしれません。

作業中ずっとカレーのいい匂いがしていますが、よーく洗って乾燥させたらにおいは消えました。

■サフラン

サフランライスに使うサフランは染液の抽出も染まる速さも最強ですが、お値段も最強です(^▽^;)

やり方は同じで、プラカップの中に水を入れて、人差し指と親指で控えめにぱらっとひとつまみのサフランを入れると…

20分くらいで良い色が出ます。

サフランを水出しした黄色い染色液

その中に布を入れて30分程放置。

サフランに浸けているガーゼマスク

一応色止め代わりにクエン酸をティースプーン1杯入れて5分ほど混ぜ混ぜしてから水洗い。

サフランで黄色に染めたガーゼマスク

作業時間1時間くらいで鮮やかな黄色に染まりましたが…1gで1000円前後のサフランなので、ぱらっとひとつまみで数百円と思うと、なかなか頻繁にはできませんね( ̄▽ ̄;)

ちょっとぜいたくな草木染めです。

値段のことを考えなければ、サフランは玉ねぎやクチナシよりも少量で早く綺麗にそまる材料だと思います。

絞り染めのやり方

今回はハンカチをたたんで輪ゴムで留めてから染液に入れました。

折り方やゴムの縛り方次第で色々な模様ができるので子供と一緒にやってみると楽しいと思います。

特に玉ねぎの皮と焼きミョウバンの組み合わせでやる草木染めは濃い色に染まるので、模様もはっきり出ます。

絞りは自分で考えて自由にやるのが楽しいですが、一応今回やってみた簡単な縛りかたを書いておきます。

ゴムはきつく結ばないと模様が出来ないので小さな子供には難しいかもしれません。

子供と一緒にやる場合は、最後に大人がチェックしてきつく縛ってあげてください。



1 四角いハンカチを2回半分に折って小さな四角にする



2 斜めに半分に折って三角にする



3 三角の左右の端を輪ゴムで縛る






1 四角のハンカチを2回半分に折り小さな四角にする



2 真ん中を輪ゴムで縛る



まとめ

【火を使わずに簡単にできる草木染めのやり方】

1 染液をつくる

ジュースは原液のまま

ジャムは水か酢で2倍に薄める

玉ねぎの皮は1~2時間水につける(熱湯の場合は20分)

2 染液に布をつける(30分~1時間くらい)

絞り染めをする場合は染液につける前にゴムで縛る

3 媒染液をつくる

焼きミョウバンの場合 水(お湯)1Lに小さじ1~2杯

(お湯の方が良い。水を使う場合は焼きミョウバンを少な目に)

酢の場合 酢と水(お湯)を1対1で混ぜる

クエン酸の場合 水(お湯)1Lに大さじ5~6杯くらい(だいたい5%~10%)

4 媒染液に布を浸す(20分~30分)

5 もう一度染液に浸す(5分くらい)

6 布を良く洗って乾かす



熱湯を使わなくても草木染めは出来るのでぜひ親子で楽しんでみてください。


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