草木染めの布

草木染めは色落ちしやすいと言われていますが実際はどうでしょうか?

多少の退色変色はありますが、しっかりと色止めできていれば真っ白になってしまうことはありません。

草木染めの色止め効果、色止めに使えるもの、色落ち防止のコツについて書いてみます。

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草木染めの色止め効果とは?

草木染めは天然の色素で布や糸を染めるものです。

天然の染液に布をつけるだけでは布は染まりません。

白いシャツにお茶をこぼしたら茶色くなりますが

洗濯すればシミは薄くなったり、消えたりします。

洗って落ちてしまったら染めたとは言えません。

そのため、色素と繊維をつなぐものが必要です。

それが媒染剤です。

媒染剤は金属、酸、アルカリなどが使われ

色素や繊維と化学反応を起こして繋がります。

色素と繊維をくっつけて、洗っても色落ちしないようにする効果を色止め効果と言います。

草木染めで色止め効果のあるものは?

草木染めの色止めに焼きミョウバンは使える?

草木染めでよく使われる焼きミョウバンの原料はアルミニウムで、アルミ媒染剤として使えます。

焼きミョウバン・生ミョウバン・酢酸アルミニウムなどがアルミ媒染に使えて

もちろん色止め効果もあります。

草木染めの色止めにミョウバン以外の金属は?

【銅媒染剤】

市販の銅媒染液や酢酸銅などが銅媒染に使えます。

銅線などから手作りで銅媒染液を作ることもできます。

コーティングされていない銅線を数日から1か月ほど酢につけて作ります。

【鉄媒染】

市販の鉄媒染液や木酢酸鉄が鉄媒染に使えます。

古釘などで手作りすることもできます。

古釘を数日~1か月ほど酢につけて作ります。

古釘がない場合は釘やスチールウールなどを酢や塩水に1晩つけて乾燥放置すると錆びがつきます。

それを酢につけると手作りの鉄媒染液が出来ます。

草木染めの色止めに塩は使える?

塩にも色止め効果があります。

塩の中のマグネシウムの効果だそうです。

金属の媒染剤と比べると効果が弱いと言われています。

草木染めの色止めに酢やクエン酸は使える?

酢・クエン酸・酢酸などの酸も色止め効果があります。

pHが変わると色が変わる色素もあり、その場合は色止めだけでなく

染める色の調節に使うこともあります。

草木染めの色止めに重曹は使える?

草木灰、石灰、重曹、炭酸カリウムなどのアルカリ性のものも色止め効果があり、

媒染剤の代わりに使えると言われています。

灰(木灰、藁灰、石灰など)は水に溶かすとアルカリ性になるので

灰を熱湯に混ぜた上澄み(灰汁)を媒染剤として使います。

椿やハイノキなどはアルミ成分を多く含むため

灰汁にはアルミとアルカリの2種類の効果があります。

重曹は掃除でも使うので家にもありますが

アルカリは思ったような色にならないことが多く私には上手く使いこなせません(´・ω・`)

なので、アルカリでの色止めはあまりやったことがなく

色止め効果がどのくらいあるのかはよく分かりません( ̄▽ ̄;)

実際に色止め効果はどのくらい?

草木染めは色落ち、退色しやすいと言いますが、実際に使ってみてどうかと言うと

確かに使っているうちに、色が薄くなったり、色が変わってきたりすることはあります。

完全に白くなってしまう訳ではなく

「色が褪せて来たな~」

とか

「なじんできたな~」

という感じです。

長~く使っていると色が薄くなってしまうこともあるかもしれません。

あまり色が薄くなってしまう場合はもう一度染め直すのも楽しいと思います♪

以前紅茶染めの靴下を普通に使ってみましたが


紅茶染めの靴下


染めた直後はこんな感じの色でしたが

普通に使って20回くらい使って洗濯したら色が変わりました( ̄▽ ̄;)

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20回ほど洗濯した後の紅茶染めの靴下


↑ 20回ほど洗濯した後はこんな色になりました。



↑ 並べてみるとこんな感じ

上が洗う前で下が20回くらい洗った後です。

左から

濃染処理なしの焼きミョウバンで媒染

濃染処理ありの塩で色止め

濃染処理ありのクエン酸で色止め

濃染処理ありの焼きミョウバンで媒染

自宅で紅茶染めした靴下で

素材は綿76%、ポリエステル22%、ポリウレタン2%

普通に使用して20回ほど洗濯しました。

洗濯は弱酸性の液体洗剤、洗濯機で洗濯脱水後、室内干しで乾燥。

使用後色は変わってしまいましたが、落ち着いた色になってコレはコレで良いかなと思っています♪

しっかりと媒染色止めしていれば

数回の洗濯で真っ白になってしまうことはなさそうです。

さらに使い続けて、もし色が薄くなってきたら、また染め直そうと思います♪

草木染めの色落ち防止のコツは?

草木染めで染めたものは退色したり変色することがあります。

なるべく色落ちさせないために洗濯や乾燥する時に気を付けることがあります。


・洗濯はで手洗いで優しく

洗濯機の中で他の洗濯物と一緒に洗濯するよりも

手洗いで優しく洗った方が摩擦が少なく色落ちもしにくくなります。


・洗剤は中性洗剤で漂白剤が入っていないもの

漂白剤はもちろんNGです。

洗剤も中性洗剤の方が色落ちしにくくなります。


・洗濯後に乾かすときは直射日光に当てないように陰干し

草木染めの色素には光に弱いものもあるので、なるべく直射日光には当てないように陰干ししてください。



色落ちしないための注意点を書きましたが

我が家の紅茶染めの靴下、今でも弱酸選洗剤で洗濯機で洗っていますが

真っ白になってしまうことはなさそうです。

(半年使っていますがまだまだ大丈夫そうです。)

開き直って普通に洗濯機で洗ってしまい、本当に色が薄くなってきたら染め直すのも楽しいかなと思います。

まとめ

草木染めの色止め効果とは?

草木染めの媒染の工程で化学反応を起こし色素と線維とがっちりとくっつける。

色素と線維をくっつけて色落ちしないようにする効果を色止め効果と言う。


草木染めで色止め効果があるものは?

・金属(焼きミョウバン・銅・鉄など)

・塩

・酸(酢・クエン酸・酢酸など)

・アルカリ(草木灰、石灰、重曹、炭酸カリウムなど)

草木染めの色落ち防止のコツは?

・手洗いで優しく洗う

・中性洗剤で漂白剤は使わない

・陰干し

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