オリーブの実が手に入った場合、渋ぬきをしなければ食べることはできません。
オリーブの渋ぬきは、重曹を使う方法と、苛性ソーダを使う方法があります。
初めてオリーブの渋ぬきをする時、重曹を使おうか、苛性ソーダを使おうか迷いませんか?
毎年自家製オリーブを楽しんでいる私が、どちらもやってみた感想や、それぞれのメリット、デメリットをまとめてみました。
オリーブの渋ぬき方法に迷った場合の参考にしていただけると幸いです。
オリーブの渋抜き、重曹と苛性ソーダどっちを使う?
重曹って何?
炭酸水素ナトリウムという物質で、食品添加物や薬品として使われたり、アルカリ性の洗浄剤として掃除に使われたりします。
ベーキングパウダーやソーダ飴のソーダなどには重曹の粉末が使われます。
その他、ワラビなどの山菜のアク抜きや、松の実などの臭み取りなど色々な用途で使われます。
掃除や焦げ落としなどに使う重曹は食用ではないので、オリーブの渋ぬきに重曹を使う場合は食用のものを使用しましょう。
苛性ソーダとは?
水酸化ナトリウムという物質で、水溶液は強いアルカリ性で、タンパク質を溶かします。
カビ取り剤などに含まれますが、危険なのはアルカリ性という特性だけで、水酸化ナトリウム自体に毒性はありません。
希釈された薄い水酸化ナトリウムは、食品添加物としても使用されます。
仕上がりで比べると?
■緑色のオリーブ漬けを作りたい場合は?
重曹の場合は、漬けている時間が長い分、空気に触れることが多くなるため、オリーブが黒く変色しやすくなります。
空気にふれないように注意することで、ある程度変色は防げますが、やはり少し色は悪くなってしまいます。
色が変わっても味は変わらないので、気にしない方は重曹でもおいしくできます。
緑色のきれいなオリーブ漬けを作りたい場合は、苛性ソーダがおすすめです。
■コリコリ歯ごたえのフレッシュオリーブを食べたい場合は?
自家製で渋ぬきをすると、スーパーなどで売っている瓶詰オリーブに比べて、フレッシュなオリーブが出来ます。
よりフレッシュな食感の残る仕上がりになるのは、短時間で漬ける苛性ソーダの方になります。
重曹の場合は、時間をかけて漬けるので、苛性ソーダほどフレッシュな歯ごたえは残らず、皮だけ少し硬くなってしまいます。
皮の固さは、火を通せば全く気にならない程度で、あまり気にしない方はそのまま食べても十分美味しいと思います。
また、重曹の場合は、少しでも重曹水が染みて早く渋が抜けるようにするために、種を抜いたり傷をつけてから渋ぬきをします。
もちろん、種がついたままでも渋ぬきできますが、種を抜いた場合に比べて渋が抜けにくくなります。
種を抜いて漬けると、その分オリーブの風味が逃げてしまい、食感も少しやわらかくなります。
風味たっぷり、コリコリ食感の種付きオリーブを食べたい場合は、苛性ソーダの方がおすすめです。
作業手順で比べると?
■早く食べたい場合は?
オリーブの収穫後、早く食べたい場合は苛性ソーダがおすすめです。
重曹が1か月以上かかるのに比べて、苛性ソーダは1週間くらいで塩漬けが出来上がります。
■家にあるもので手軽に作りたい場合は?
苛性ソーダは劇薬扱いなので、なかなか手に入りにくい薬品です。
簡単に揃う材料で手軽に作りたい場合は、重曹がおすすめです。
食用の重曹は、ドラッグストアやスーパーで簡単に手に入れることができます。
また、重曹は手袋などを使わなくても危険がないので、気軽に作ることができます。
余った重曹は、野菜のあく抜きやキッチンの掃除などにも使えるので無駄にならないですね。
オリーブの塩漬け、重曹を使った方法 はこちら
オリーブの塩漬け、苛性ソーダを使った方法、苛性ソーダはどこで買う? はこちら
苛性ソーダは健康に悪い?
苛性ソーダは水酸化ナトリウムという物質で、濃度が濃いと強いアルカリ性を示しタンパク質を溶かします。
肌についたり、溶液が体に入ったりすると大変危険です。
でも、危険なのは濃度が濃い時だけです。
希釈された水酸化ナトリウム溶液は食品添加物として使われることもあり、毒性はありません。
苛性ソーダでオリーブの渋ぬきをする場合、数日間かけて苛性ソーダ抜きをするため、出来上がったものに苛性ソーダはほとんど残っていません。
また、多少苛性ソーダ抜きが甘かったとしても、数日間水につけている間に、水酸化ナトリウム濃度は十分に売るくなっているはずです。
なので、苛性ソーダで渋ぬきしたオリーブを食べても、健康的には問題ありません。
しかし、渋ぬきに使う時の苛性ソーダと苛性ソーダ液には注意が必要です。
肌には絶対につかないように注意して取り扱いましょう。
もし飛び散ったり、こぼれたりした場合は、濡れ付近で十分に拭きとりましょう。
まとめ
◎重曹は手に入りやすい
◎余った重曹も他の用途に使えて無駄にならない
◎劇薬を使用しないので気軽に作ることができる
△渋ぬきに時間がかかる
△オリーブが黒く変色しやすい
◎早く出来上がる
◎オリーブが変色しにくい(緑色のオリーブ漬けを作ることができる)
◎風味や食感良く仕上がる
△苛性ソーダが手に入りにくい
△苛性ソーダは劇薬なので、扱いに注意が必要
△余った苛性ソーダの使い道があまりない
(石鹸づくりをする方は使い道がありますが、使用には注意が必要)
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