ゴールデンハムスターが仲良く丸くなって寝ている姿

「ハムスターは多頭飼いできるか?」

とよく質問されますが、私はいつも

「場合によってはできる」

と答えます。

実際に私も多頭飼いしたことがありますが、リスクも大きく単独飼育以上に気を遣わなければいけません。

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ハムスターは多頭飼いできる?

ハムスターの多頭飼い(多頭飼育)

とは1つのケージの中で複数のハムスターを同居させる飼い方です。

ハムスターを多頭飼いすることはできますが

実はハムスターは多頭飼いには向きません。

多頭飼いのしかたとコツについては後で順番に説明していきますが

まずはハムスターの習性と多頭飼いに向かない理由を説明させてください。



野生のハムスターは群れではなく単独で生活しています。

そのため


 単独飼育 

 一つのケージに1匹のハムスター 

というのがハムスターにとってはストレスがなく自然な状態です。

ハムスターは縄張り意識が強いため 自分以外のハムスターが縄張りに入ると攻撃をします。

野生の場合は縄張り争いに敗れたハムスターは縄張りの外に逃げますが 狭いケージの中では逃げ場がありません。


自然な状態でのハムスターの縄張りは、一番狭くて10m~15m四方くらいです。

ハムスターに10m以上のケージを用意できる人なんて、なかなかいませんよね( ̄▽ ̄;)

弱いハムスターに逃げ場はなく、強いハムスターは縄張りを守るために攻撃を続けます。


ハムスターの喧嘩を見たことがある方は分かると思いますが



 喧嘩が始まると早い時は一瞬で流血沙汰 遅くても数秒でどちらかが怪我をします。 

 数分放置すればどちらかが命を落とす可能性が高いです。 

ハムスターは単独飼育 多頭飼いには向かない動物です。

そんなハムスターを1つのケージで複数飼いをしたい場合はどうすればよいか

書いて行きたいと思います。

ハムスターの多頭飼いに向いている種類は?

ハムスターの中で一番縄張り意識の弱いのがロボロフスキーハムスターです。

縄張り意識の強さで比べると

ゴールデンハムスター(キンクマ) > ジャンガリアンハムスター(改良種も含む) > ロボロフスキーハムスター

という順番になます。

なので、多頭飼育をした時に一番危険が少ないのが ロボロフスキーハムスター です

ペットショップでは

 ロボロフスキーハムスターは多頭飼いできる 

 ゴールデン ハムスターの多頭飼いは絶対ダメ 

と言われています。

一番多頭飼育に向いているのはロボロフスキーハムスターですが、

 野生では単独で生活していますので必ず成功するとは限りません。 

飼育環境やハムスター同士の相性によっては喧嘩することもあります。

逆に飼育環境が整っていて相性と運が良ければゴールデンハムスターでも多頭飼いできることもあります。

どちらにしても多頭飼育をする場合は細心の注意を払わなければいけませn。

ハムスターの多頭飼いのコツと注意点

性別が違う同士はNG

繁殖を考えているとしてもオスとメスの同居は難しいと思います。

発情期でもないのにオスがメスに言い寄ったりするとメスが怒りますし( ̄▽ ̄;)

男女の問題は人間もハムスターもトラブルのもとです。

相性が良くてうまくメスが妊娠したとしても

ハムスターの発情周期は短いので赤ちゃんが一人立ちする前に次の子供を妊娠してしまったりします。

そうなると、育てきれない子は育児放棄されるか共食いされるか という事態になってしまいます。

また妊娠中や子育て中の母親はとても神経質で気が立っていますので

喧嘩や共食いの原因になります。

例外はあるかもしれませんが基本的にハムスターのオスは子育てにあまり参加しませんので

オスとメスは基本は別居で、繁殖する時だけ一緒にするようにしてください。

子供の時から一緒に飼い始める

赤ちゃんの時から一緒にいる子ハムたちをお迎えすると同居しやすいです。

一緒に生まれた兄弟なら慣れていて体格差も少なく、多頭飼いしやすいと思います。

別々にお迎えするにしても、なるべく小さな時期の物心つく前に同居させてください。

縄張り意識の出始める3か月前までの子が良いです。

大人のハムスターでもペットショップで長期間同居していたハムスター同士ならOKです。

成長した初対面のハムスター同士をいきなり同居させるのは危険なのでやめてください。

ハムスターの多頭飼いはなるべく広いケージで

いくら仲良しのハムスターでも狭いところに閉じ込められたらストレスがたまります。

ストレスがたまると喧嘩も起こりやすくなります。

喧嘩が縄張り争いに発展しないためにもなるべく広めのケージを用意してあげてください。

餌の取り合いなどの小競り合いが起こっても離れて過ごすことができるくらいに広さを用意してあげてください。

ハムスターの種類と数にもよりますが


 ロボロフスキーならば長辺60cm前後のケージなら大丈夫です。 (もちろんもっと大きくてもOK)

ハムスターの多頭飼いは 餌は多めに

餌の取り合いから喧嘩が勃発することもあります。

餌は取り合いにならないようにたっぷり入れてあげてください。

多頭飼育の場合は、どの子がどのくらい食べているのか分かりにくく体調管理がしずらいのがデメリットです。

気付いたら1匹だけ餌を食べていなかった

なんてことのないように



 定期的に体重を測るなどして体調管理もしっかりしてあげてください。 

3匹以上で飼う

これはペットショップでよく言われることですが

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2匹で飼うと優劣が分かりやすく上下関係が出来てしまい 弱い方がいじめられやすくなるようです。

3匹以上だと優劣が分かりづらくなるため上下関係が固定しない ということです。

常に観察 何かあったらすぐに隔離

多頭飼育は成功するとは限りません。

 何かあった時のために予備のケージは必ず用意しておいてください。 

フルセットでなくても大丈夫です。

一時的に隔離する用に少し小さめのケージやプラケースなどでも良いと思います。

喧嘩をしないか、体調を崩していないか、毎日よく観察してください。

そして何かあったらすぐに隔離してください。

いつもは仲良しでもある日突然喧嘩を始めることがあります。

病気の子や一番弱い子が攻撃されることがあります。

病気の場合は感染のリスクもあるので隔離が必要です。


 体調の悪そうな子は念のため隔離 

 「ギギッ」とか「ジーッ」とか威嚇の声が聞こえたらすぐにケージを見る 

 喧嘩をしたりいじめられている子がいたらすぐに緊急避難 

どんな時に喧嘩や攻撃が起きるの?

上記のことを注意しても喧嘩が起こることもあります。

どんな時に喧嘩が起こりやすいのか書いてみます。

ハムスターの性格は成長とともに変わることもあるので成長の節目には注意してみてあげてください。

生後3~5か月くらい

ハムスターが子供から大人になる時、縄張り意識が芽生え始め他のハムスターを排除しようすることがあります。

赤ちゃんの時には仲良しでも、ある日突然喧嘩を始めることもあるので気を付けてください。

成長に差があり体格差が出た場合

体格差が大きい時、優劣が付きやすく弱い方のハムスターが攻撃されやすくなります。

病気になった時

野生の動物にはわりとよくあることですが 弱い個体は排除しようとする傾向にあります。

毎日のお世話の時によく観察して調子の悪そうな子は隔離してください。

力関係が崩れた時

ずっと一緒に飼っていても年とともに弱ってくると力関係が崩れることがあります。

そんなとき一番弱いハムスターが攻撃される可能性があります。

ペットショップでハムスターの多頭飼いができる理由は?

ハムスターは縄張り意識の強い動物ですが、赤ちゃんの時は母親と一緒に過ごします。

もちろん赤ちゃんハムスターは自分の縄張りを主張しません(*´▽`*)

ハムスターに縄張り意識が芽生えるのは、生後3か月~5か月くらいです。

ペットショップで多頭飼いされているハムスターはまだ子供で乳離れしたばかりの子たちです。

なので1つのケージに数匹のハムスターを入れても大丈夫なんです。

そんなペットショップのハムスターたちも大人になれば縄張りを主張しはじめます。

縄張りを主張するようになったハムスターは1匹だけのケージに移されるはずです。


ロボロフスキーに限っては縄張り意識が弱いので喧嘩にならないこともあります。

大人のロボロフスキーの多頭飼育は、ペットショップでもたまに見かけることがあります。

まとめ

ハムスターは単独飼育が基本 多頭飼いにはあまり向いていない

それでも多頭飼いしたい場合

一番多頭飼いに向いているのは

縄張り意識の弱いロボロフスキーハムスター

多頭飼育の注意点は

・性別が違う同士はNG

・子供の時から一緒に飼い始める

・なるべく広いケージで飼う

・餌はおおめに

・常によく観察し何かあったらすぐに隔離する

・できれば3匹以上で飼育する

喧嘩や攻撃が怒りやすい時期や場面は

・生後3~4か月を過ぎて縄張り意識が芽生え始める時期

・病気や老いのせいで力関係が崩れた時



【おまけ】 ロボロフスキー以外は多頭飼育できない?

以前ゴールデンの女の子を2匹 同じケージで育てたことがあります。

最初から多頭飼育を目指していたわけではなく

「成長したら別々のケージにしようかな~」

なんて思っているうちに 仲良しのまま成長しておばあちゃんになってしまいました ( ̄▽ ̄;)

2匹がくっついて丸くなって寝る姿を見ていたら、引き離せなくなってしまいました。

もちろんゴールデンハムスターが縄張り意識の強いハムスターであることは知っていたので

喧嘩が起きないか注意深く観察していました。

夜中に大きな音がした時は急いでケージを覗いたりもしました。

1匹は気性の荒く 飼い主には対しては ちょっとしたことですぐに怒って噛みつく子でしたが

不思議と同居人に対しては 餌をとられても 上に乗られても 絶対に怒らなかったんです。

この時はたまたま相性と運が良く成功しましたが基本的にはゴールデンハムスターは多頭飼いできません。


ゴールデンハムスターは縄張り意識が強いこと


ゴールデンハムスターは体が大きいため2匹の同居にはかなり大きなケージが必要


という2つの理由でゴールデンハムスターの多頭飼いはおすすめしません。


でも

「在宅ワークだからほぼ24時間ハムスターと一緒に過ごせるよ」

とか

「自分子供に向けるのと同じくらいの愛情をハムスターにも注げるよ

自分の赤ちゃんに3時間おきに授乳したのと同じくらいの気力と労力をハムスターにも使えるよ」

なんていうハムスター愛にあふれる方ならチャレンジしてみても大丈夫かもしれません。

くれぐれもハムたちが不幸なことにならないように気を付けてくださいね。


ハムスターの多頭飼い(多頭飼育)について
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